~店長のつぶやき!~
●檜の魅力 日本製のラケットの材料と言えば、『檜(ひのき)』ですね! ラケットを語るうえで、『檜材』は欠かすことのできない素材です! ラケットに限らずに、檜材は日本人の縁の深い木材としても知られます。 特に、卓球ラケットにおいて、檜材の魅力を独自にご紹介します。 ・檜のラケット 檜のラケットと言えば、『日本式ペンホルダー』というラケットです。 卓球をよく知らない方でも、 『卓球のラケットと言えばこれ!』 そう思われるやつです。 このラケットは、特徴的なグリップの形を作ったのが 日本人であったので、『日本式ペンホルダー』と呼ばれるようになりました。 当然、、手に入りやすいであろう檜材で作ったのだと思われますが そのことから 檜の単板と言えば = 『日本式ペンホルダー』 というイメージができると思います。 ちなみに、この独特な形のグリップを 『ハイトップグリップ』とも呼ばれています。 ラケットにはさまざまな特徴があります。 魅力と言えば、一概にはこれという事ではありません。 ラケットの特徴が、選手の気持ちと一体となっているかが大切です。 世代層や流行によっても良し悪しが変わります。 私の現役の頃を考えますと 含め多くの卓球愛好者のみなさんが 檜の単板に惹かれてしまうのもよくわかります。 ・製作の苦難 では、 ラケットが完成するまで、どれだけの苦労があるのでしょうか? ラケットの板には大きく 分けて2種類あります。 単板と合板である。 ・合板の特徴 合板というのはさまざまな板を重ねることで、人工的に好みの打球ができる板を作る技法です。 重さ・弾み・ボールタッチ・強度強化を好みのように構成してブレードにしていく方法 です。 ・単板の特徴 単板は文字通り、一枚板です。一枚板なので、いくつかのポイント全てを得る事は難しい、 特に強度的には敏感で、何かの衝撃で割れてしまう事も少なくないです。 全て合板にしてしまえば…、と思う方もいると思いますが、 単板にしかない独特なボールタッチによってメリットがあるもので、 素材自体が持っている個性を生かす事も大切です。 材料によって、合板すべきか、単板のまま生かすか そういった判断もラケット制作には大切な要素になっています。 ・材料の調達 ・材料確保 実際に材料として使われる檜の条件とはどうなのでしょうか? 購入する前に柾目を見るのはご存知の方も多いと思います。 年輪の本数まで数える方もいます。 15000円を超えてくるラケットに必要な檜の樹齢はおよそ 300?400年と言われています。 一度、切り倒せば確実に1本の樹木を失った事になります。 建材や多目的に使用される檜材を、ラケットのために確保するのは容易ではありません。 建材にとられてしまえばラケットにする事はできません。 現在ラケットの価格が大幅に値上がりしているのは、 コスト的に、安い価格のまま販売するのは難しいと判断して値上げする事は適切な対応だと思います。 ラケットをメインとしているメーカーでは、 山ごと所有する事によって材料を獲得していると言う話もあるぐらいです。 檜は数あれど材料になるのはほんの一握りです。 ・材料としての下ごしらえ 苦労して手に入れた樹木、そのままでは使用する事ができません。 樹木は切り倒しても、生命力を持続しているので、しばらくの間は、膨張・収縮を繰り返します。 放置する事によって、かれるのを待ちます。数年かかるとも言われています。 枯れきってしまえば、板材に成型しても、破損・変形の心配は無くなります。 製板し材料となっていきます。 そして材料の良いところだけが高格なラケットとして扱われていきます。 ここまでして、やっと実際に使用できる材料になります。 ・材料確保の模索 檜は世界中探せばいくらでもあるのでは? ある職人のお話ですが、檜単板の第一人者は結論を出しています。 日本の四季で育った檜でなければ単板は作れない。 加工して、ラケットの形状になれば完成した、と言う単純なものではありません。 実は、形になってからも、自然にそりが出てしまったり 割れてしまうものが数%は発生してしまうのだそうです。 長い年月をかけて形にしたラケットでも、苦労して細工しても 販売される事の無いラケットも少なくないようです。 制作として完了しても、充分と思えるからしが効かなくて 自然に割れてしまうものもあるとのことです。 販売されているラケットにトラ ブルが少ないのは 上級な合格品のみが出荷されているとも言えるでしょう。 ・まとめ 個人的な見解ではありますが 実際にラケット職人と直接対話してきた事で 選手としてだけでなく 檜という材料からぬくもりを感じて、 魅力を伝えていく事が私にとって大切だと感じています。
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